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柔らかい肌

少し前にゴダールの『アルファヴィル』を観たのですが、
やっぱりゴダール作品は肌に合わないなぁと再確認しました。
『アルファヴィル』に関しても、アンナ・カリーナの
美しさがなければ、秒で観るのをやめていたと思います(笑)。

それに比べ、ゴダールと同じ時代のヌーヴェルバーグの旗手のひとりで、
ぼくが最も好きな映画監督、フランソワ・トリュフォーの作品は
何度も同じ作品を観てしまうくらいに陶酔しております。

そんなトリュフォーの1964年の作品『柔らかい肌』を久しぶりに鑑賞。
以前インタビューで、トリュフォー自身は本作を気に入っていない的な
発言を読んだことがありますが、ぼく個人的にはこの作品、大好きです。

監督が気に入っていない最大の要因は、主演にフランソワ・ペリエを
起用したかったものの、スケジュールが合わず、
やむを得ずジャン・ドサイを起用。
ジャン・ドサイ演じる主人公に監督が共感できず、
さらにはジャン・ドサイ自身も役が気に入らず、
撮影現場でもめていたそうです。

たしかにフランソワ・ペリエだったら、
もっと色気があって魅力的な雰囲気が出そうではありますね。
ただ、トリュフォー作品に登場する男に共通の
"共感できない男"という意味で言えば、
ジャン・ドサイでも悪くはない気がしました。

ジャン・ドサイ演じる文芸評論家のピエール・ラシュネーが
若きC.A.と陥る不倫の物語なのですが、
この作品を魅力的にしているのは確実に
不倫相手ニコール役のフランソワーズ・ドルレアックでしょう。

柔らかい肌 01

とにかく彼女の美しさに釘付けになります。

柔らかい肌 02

ダンスシーンもあったり。

柔らかい肌 03

女性の脚フェチのトリュフォーによる
こんな絵になるシーンもあったり。

ちなみに物語の序盤にも飛行機内で、
カーテンの下からハイヒールを履き替える
フランソワーズ・ドルレアックの足だけが見えるシーンも
トリュフォーならではのカットですね。

ふたりが急接近するホテルで、
フランソワーズ・ドルレアックが泊まっている部屋番号が
トリュフォーがギャグの様にこだわり続けた「813」というのも、
トリュフォー・ファンにはクスッとしてしまう演出。
柔らかい肌 04

あと、この作品はトリュフォーが敬愛する
アルフレッド・ヒッチコックとの対談の後に制作した
作品だけあって、サスペンス映画ではないのに、
何気ないシーンで妙な緊張感を作り出しています。
ドサイとドルレアックがエレベーターに乗っているシーンや、
終盤のドサイが自宅に電話をかけるも、
妻役のネリー・ベネデッティは車で家を発つシーンなど、
スリリングさがサスペンス映画のそれと同様です。

また、ドルレアックがドサイの講演のチケットが取れず、
劇場のエントランスで退屈しているシーンがあるのですが、
そこにジャン・コクトーの『オルフェの遺言』と
マルセル・オフュルスの『バナナの皮』のポスターが
貼られているのも、なんともトリュフォーらしい目配せですね。

ということで、ストーリーとは逸れた細かい箇所で
ぼくのトリュフォー愛が爆発してしまった文章になっておりますが、
ストーリー自体もおもしろいのでオススメです。
これを機にしばらくトリュフォー作品を鑑賞していたいです。

柔らかい肌 05

フランソワーズ・ドルレアックが
1967年に25歳という若さで交通事故で逝去したことが
悔やみきれないくらいに、スクリーンに眩しく輝いている作品です。

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テーマ : 映画感想 - ジャンル : 映画

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